よみがえる戦場の記憶 沖縄戦 600本のフィルム

  • 12 年前
65年前、住民を巻き込んだ激しい地上戦が戦われた沖縄。その戦場を記録した600本の新たなフィルムが見つかった。沖縄県公文書館の調査で、多くのフィルムが米国立公文書館に眠っている事がわかったのだ。1980年代に沖縄1フィート運動の会や沖縄県公文書館などが収集した350本のフィルムは、沖縄を記録した映像の一部に過ぎなかったのだ。3年前から沖縄戦を記録した全てのフィルムの収集が続けられてきた。

新たな映像の中には、これまでなかった日本軍の秘密兵器の映像や、“戦争孤児”の学校、そして多くの沖縄の住民たちの姿が記録されていた。沖縄戦資料の研究を続けてきた琉球大学の山内栄さんは、フィルムはアメリカ軍が記録や宣伝の為に撮影していたと言う。しかし、戦後65年たった今、映像は、人々が封印してきた戦場の記憶をよみがえらせようとしている。

その瞬間に何が起きていたのか?フィルムに写っている人を探す為に、沖縄各地で上映会を行った。多くのフィルムが見つかった事は、沖縄で大きな波紋を広げた。 誰にも語れなかった家族の“集団自決”。名乗り出せなかった“戦争孤児”としての過去。そして戦場での悲劇を乗り越えようとする人々。 フィルムは、戦場の記憶を呼び起こすとともに、戦後の生きざまをも浮かび上がらせた。沖縄戦を記録した未公開の600本のフィルムをたどり、写された一人一人の沖縄戦と戦後の人生を見つめる。

600本のフィルムはそのままアメリカの公文書館に眠っている。2年間かけてDVD化された映像が、沖縄県公文書館に2010年贈られた。県公文書館に行けば見られることになる。

■沖縄戦の映像 県公文書館へ 捕虜や孤児 鮮明80時間 NHK 米で2年かけ収集
 (沖縄タイムス 2010/8/17)
 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-08-17_9327/

■沖縄県公文書館
 http://www.archives.pref.okinawa.jp/
 http://www.archives.pref.okinawa.jp/films/

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