認知症ケア / ユマニチュード
  • 10 年前
認知症の高齢者の暴言・暴力や徘徊など、いわゆる“周辺症状”の対応に悩む医療や介護の現場で、“ユマニチュード” Humanitude と呼ばれるフランス生まれのケアを導入する動きが広がっている。「見つめる」「話しかける」「触れる」「立つ」を基本に、“病人”ではなく、あくまで“人間”として接することで認知症の人との間に信頼関係が生まれ、周辺症状が劇的に改善するという。「入浴のたびに大声を上げていた認知症の母から『ありがとう』と言われた」「寝たきりの祖父が歩くことが出来た」など、家族からは驚きの声も寄せられ、在宅ケアに生かそうという取り組みも始まっている。認知症の人がより良く生を全うする助けとなる“ユマニチュード”、その可能性を伝える。
 関連映像:< ユマニチュード / 認知症ケア 優しさを伝える技術>  
  http://www.dailymotion.com/video/x1uhdb5
高齢者の認知症は、暴言や暴力で、医療や介護の現場、そして家族までが対応に苦慮してしまうことが少なくありません。

認知症の主な症状では、記憶する機能が弱まり、そのことで自分が置かれている状況が分からなくなり、不安やいらだちが募り、その結果「暴力や暴言、不眠や意欲の低下」などを引き起こしてしまいます。
さらに入院するときは、病気やケガで不快な気分になっているうえに、病院という生活環境の変化によって、認知症が進みやすいといいます。

認知症は予備軍も含め、800万人以上言われているなか、新しいケア“ユマニチュード”が注目されています。
このケアのねらいは、認知症の高齢者とのコミュニケーションの改善です。
フランスでは、35年前から研究が進み、今では、ドイツやカナダなどでも導入されています。

“ユマニチュード”を考案したイヴ・ジネストさんの患者との接し方には4つの基本があるといいます。
<ユマニチュードの4つの基本>
「見る」=ベッドの脇から見下ろすのではなく、本人の正面から近づき、見つめる。
「話す」=相手が心地よく感じる言葉を穏やかな声で話しかけ続ける。
「触れる」=手首をつかむのではなく、本人の動こうとする意思を生かして、下から支える。
「立つ」=人間は立つことで筋力が鍛えられ、骨が強くなり、呼吸機能の劣化を防ぐ。

ユマニチュードを体験した、介護施設の職員は「人と人としての関係づくりが大事」だと感じたといいます。

認知症は、難しい課題ですが、解決できれば、患者本人に笑顔が戻り、家族も穏やかな気持ちになる。そして、医療にあたっている人も、やりがいのある仕事に就いているという誇りを取り戻すことができる、といいます。

「ユマニチュードは、世の中にある『良いケア』を体系化したもの。
個々の技術はこれまで行われてきたものでも、フランス的な哲学で裏打ちされ、包括的に行う点が新しさです。人は見つめてもらい、誰かと触れあい、言葉を交わすことで存在する。そして、死に至る日まで、できるだけ立つことで人としての尊厳を自覚する。こちらがそう対応を変えることで、患者も変わっていくのです。

<フランス生まれの認知症ケア「ユマニチュード」 - Naverまとめ>
http://matome.naver.jp/odai/2138269291555137601
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